rTMS療法
rTMS療法とは

反復性経頭蓋磁気刺激(repetitive transcranial magnetic stimulation以下rTMS)とは、8の字型コイルに電流を流すと周囲に磁界が発生し、その作用で脳の局所に微弱な電流(渦電流)が生じます。それにより脳の神経細胞を刺激して機能を調整します。
精神科領域では前頭前野という脳部位をrTMSで刺激することによりうつ症状を改善する効果があると言われております。
rTMSは安全で副作用が少なく、薬物療法の効果が十分でないうつ病の患者さんを対象として薬物療法と同等の有効性が確認されました。アメリカやカナダなどではうつ病に対する治療法として保険承認を受けています。その理由は、薬物治療抵抗性うつ病の患者さんに対して薬物治療と同等の効果を示したことと、重篤な有害事象を認めなかったからです。
日本においては、2019年6月にNeurostarTMS装置によるうつ病治療が保険適応となりました。
※パンフレットからrTMSの適正に関する質問票をダウンロードできます。
NeurostarTMS装置の導入について

画像提供:帝人ファーマ株式会社
当院では、2024年3月26日にNeurostarTMS装置を導入しました。同年7月1日より保険診療を開始する予定です。
rTMSの治療対象となるのは、抗うつ剤を使用した経験があって、十分な効果が認められない成人(18歳以上)のうつ病患者さんです。ただし、双極性感情障害、軽症うつ病エピソード、持続性気分障害などの軽症例や、精神病症状を伴う重症うつ病エピソード、切迫した希死念慮、緊張病症状、速やかに改善が求められる身体的・精神医学的状態を認めるなどの電気痙攣療法が推奨される重症例を除きます。
rTMSは原則として入院下で行い、全例治療を6週間(最長8週間)受けていただきます。ただし、第3週目の評価において、寛解した場合は中止または漸減します。また、第3週目の評価において、治療開始前の評価より改善が20%未満の場合には中止します。原則として大部屋での入院となります。
rTMSは侵襲が少なく安全な手法でありますが、rTMSと関連した合併症として頻度が高いものとして、頭皮痛が挙げられます。これはrTMS刺激が頭皮や顔面の筋肉を収縮させることによって、刺激部位しゅういに感じる痛みですが、痛みは刺激中のみであり特別に心配はいりませんし、慣れの効果によって痛みは軽減します。また(筋緊張型)頭痛と首の痛みも生じることがありますが、これらの症状は一過性であり、通常の鎮痛剤によって改善することができます。頻度は大変少ないですが、けいれんを誘発する危険性があります。患者さん1人あたり0.1%未満と言われてます)
rTMSの治療ができない場合としては、頭蓋内の磁性体(口腔内は問題ありません)と、ペースメーカーなどの体内埋め込み式医療機器が挙げられます。場合によっては行えるものとして、てんかんや頭部外傷、妊娠などがありますが、担当医が詳細を問診した上で、rTMSに関する講習会を受けた精神科専門医が適応の可否を判断いたします。
以上のように、rTMSは副作用が少なく、非侵襲的であり、うつ病治療の選択肢の幅が広がることが期待されます。
治療反応率は一般的に約3~4割と言われています。
尚、当院でrTMS治療を受けられる場合は、紹介状が必要となります。かかりつけの先生からの紹介状を持参の上、少なくとも一度は当院の外来を受診していただき、rTMSに関する講習会を受けた精神科専門医が適応の可否を判断する流れとなります。当院に通院中の患者さんについては、まず主治医にご相談ください。また、rTMSに関して電話での一般的なお問い合わせにはお答えできませんのでご了承ください。
rTMS療法(要点)
・現在かかりつけ病院において大うつ病の診断をされていることが必要です。(双極性障害など他の気分障害は適応外です。)
・1剤以上の抗うつ薬の至適用量を十分な期間投与したことがあるにも関わらず、十分な効果が認められない成人(18歳以上)の患者さん、または副作用等で抗うつ薬による十分な薬物療法が行えない成人の患者さんが対象となります。
・軽症うつ病エピソードや持続気分障害軽症例、精神病症状を伴う重症うつエピソード、切迫した希死念慮、緊張病症状、速やかに改善が求められる身体的・精神医学的状態を認めるなどの電気痙攣療法が推奨される重症例は適応外となります。
・当院への紹介状が必要です。
・原則入院加療で行います。
・保険診療として行います。
・刺激治療は6週間(最長8週間)です。
・原則大部屋での入院になります。
・治療反応率は一般的に約3~4割です。
・適応は当院外来で判断します。受診後、適応にならない場合があります。
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rTMS療法について、当院も紹介されています。
